化学グランプリ -High School Chemistry Grand Prix-

2006年・大会概要

一次選考

2006年・全国高校化学グランプリポスター

日時

平成18年7月17日(月)

会場

全国30会場

応募者

1451名

参加者

1318名

問題

問題, 解答用紙, 解説,

二次選考

日時

平成18年8月19日(土)

会場

東京工業大学大岡山キャンパス

参加者

61名

問題

問題, 解答用紙, 解説

表彰式

日時

平成18年11月18日(土)

会場

日本化学会 化学会館 7階ホール

記念講演

竜田 邦明教授「自然に学び自然を越す-くすりを創る-

(早大理工)

報告書

全国高校化学グランプリ2006報告書

全国高校化学グランプリ2006 入賞者一覧

★:オリンピック代表候補

優秀賞

優秀賞
氏名学校名学年
青木 和哉

私立甲陽学院高等学校

3年

大高 一樹

香川県立高松高等学校

3年

角田 翔太郎★

筑波大学附属駒場高等学校

2年

浅羽 太郎

私立大阪星光学院高等学校

3年

賀川 拓哉

私立白陵高等学校

3年

金賞

金賞
氏名学校名学年
山口 一樹★

静岡県立清水東高等学校

2年

泉 克明

私立大阪星光学院高等学校

3年

佐藤 克典

宮城県仙台第二高等学校

3年

永松 佑恵美

私立明治学園高等学校

3年

吉良 遼一

私立池田高等学校

3年

佐藤 祐希

福島県立安積高等学校

3年

岩村 宗千代

私立白陵高等学校

3年

野口 優輔

私立創価高等学校

3年

佐藤 正紀

私立創価高等学校

3年

久田 隼人

私立開成学園高等学校

3年

内田 芳裕

山口県立山口高等学校

3年

田代 諭拡

私立古川学園高等学校

3年

村上 達彦

私立広島学院高等学校

3年

新庄 紘和

宮城県仙台第三高等学校

3年

里見 彰彦

滋賀県立彦根東高等学校

3年

那須 康輝

山形県立山形東高等学校

3年

銀賞

銀賞
氏名学校名学年
上田 雅道

私立白陵高等学校

3年

松岡 裕哉

愛知県立一宮高等学校

3年

田中 成★

私立開成学園高等学校

2年

友田 翼

私立大阪星光学院高等学校

3年

入江 翔一

私立灘高等学校

3年

坂下 竜一

福岡県立修猷館高等学校

3年

水野 泰孝★

静岡県立磐田南高等学校

2年

廣井 卓思★

筑波大学附属駒場高等学校

2年

酒谷 彰一

富山県立高岡高等学校

3年

五十部 学

私立栄光学園高等学校

3年

水口 菜々子

私立志學館高等部

3年

橋浦 公一

岩手県立盛岡第一高等学校

3年

市川 雄一

私立麻布高等学校

3年

小島 卓也

愛知県立一宮高等学校

3年

間瀬 崇史

私立麻布高等学校

3年

福森 久友

私立麻布高等学校

3年

佐藤 弘幸

静岡県立清水東高等学校

3年

太田 努

私立栄光学園高等学校

3年

楊井 理信

山口県立山口高等学校

3年

銅賞

銅賞
氏名学校名学年
酒井 克

富山県立高岡高等学校

3年

奈須 義総

熊本県立済々黌高等学校

3年

田中 隆文

私立白陵高等学校

3年

今井 正樹

富山県立高岡高等学校

3年

丸田 貴瑛

福岡県立修猷館高等学校

3年

細見 拓郎★

大阪府立生野高等学校

1年

松本 暢明

愛媛県立今治西高等学校

3年

笹田 直利

静岡県立清水東高等学校

3年

吉野 匠

私立開成学園高等学校

3年

太田 祐介

私立穎明館高等学校

3年

片桐 悠自★

私立洛南高等学校

2年

佐藤 達也

長岡工業高等専門学校

3年

河口 真志

京都府立嵯峨野高等学校

3年

館農 悠紀★

石川県立七尾高等学校

2年

水向 祐樹

岐阜県立大垣北高等学校

3年

小山 瑛

私立白陵高等学校

3年

晴永 祐輔★

佐賀県立佐賀西高等学校

2年

小出 博仁

長岡工業高等専門学校

3年

岩田 陽一

愛知県立一宮高等学校

3年

越智 琢正

愛媛県立西条高等学校

3年

秋光 斉家

愛媛県立今治西高等学校

3年

全国高校化学グランプリ2006 入賞者の声

化学グランプリに参加して

私立甲陽学院高等学校・3年 青木 和哉

今回の化学グランプリは会心の出来でした。一次試験の自己採点では8割を超えていたし、二次試験でも自分なりに要点をおさえたレポートが書けたので、かなりいい成績が取れるような気がしていました。それでも一次・二次共に最高点というのは予想外で、結果を受け取ったときには心からうれしく思いました。

化学グランプリに参加するのは二度目ですが、今年もテーマとしてはとても興味深いものばかりだったと思います。ただ、去年の経験から一次試験は時間の割に問題が多いことが分かっていたので、試験中は化学的な理解を後回しにして、機械的な処理を優先せざるを得ませんでした。誘導がかなり丁寧で、解答欄には答えしか書かなくてよいというのも印象的でした。そのため文章を読みながら重要な部分に線を引いていくとそれだけで解けてしまう問題もあり、かなり国語的な要素が強かったように思います。二次試験は逆に問題の趣旨をきちんと理解しないと試薬が足りなくなったり誤差が増えたりして失敗するというかなり厳しいものでした。特に今回は反応が終わるまでの待ち時間が長かったので、いかに効率的にその時間を使うかという点で苦労しました。意外に大変だったのが安全ピペッターの操作でした。何十回もバルブを押さなければならないのでそのうち握力がなくなってきます。まさに実験は体力勝負であるということを思い知らされました。

化学グランプリに参加することで化学の面白さを再認識することができました。将来の進路についてはまだあまり細かいところまで決めていませんが、様々な分野をもっと深く学んだ上で最終的に進む道を選んでいこうと思っています。

これから化学グランプリに参加される皆さんへのメッセージです。この大会のように全国から化学好きの人が集まることはめったになく、参加するだけでも十分に意義があると思います。ただし、上のステージに進むためにはある程度の準備が必要です。特に二年生以下の場合有機化学の経験の有無だけで勝負が決まりがちなので、この分野を先取りしておくことをおすすめします。実際、去年は有機化学で点数が取れなくてボーダーをぎりぎりで割ってしまい、とても悔しい思いをしました。IChOを目指すくらいなら夏までに全範囲をやっておけということなのでしょうが、これはかなり厳しい要求だと思います。一方、三年生は二次試験より先のステップがなく少し魅力に欠ける気もしますが(現に三年のIChO代表選手はたいてい参加していない気がします)、化学を純粋に楽しむという点では非常にいい大会だと思います。

最後になりましたが化学グランプリを支えてくださった皆さま、このような素晴らしい経験をさせていただきありがとうございました。

「全国高校化学グランプリ2006に参加して」

香川県立高松高等学校・3年 大高 一樹

昨年参加したときは予選落ちだったにもかかわらず,今年はいきなり優秀賞を頂いて本当に驚きました.さらに,ある日突然地元の新聞社の取材が来て,妙に大袈裟な記事が掲載されたので,また驚いてしまいました.とは言っても,過去の受賞者の方々の感想を読むと,「驚いた」という感想が圧倒的に多いように感じられます.これはおそらく,昨年の私のように,先生に勧められて勉強の目的で,もしくは,今年の私のように,ただ純粋に楽しむ目的で参加している人が殆どで,最初から賞を狙っているという人が少ないからではないかと思います.事実,私は,当日の問題が上手く解けたという自信はありませんでしたが,1次・2次審査ともに,あの中で一番化学を楽しんだ自信があります.

私が化学という教科に本格的に傾倒し始めたのは,高校に入ってからだと思います.もちろん,小中高と,素晴らしい科学(理科)の先生方に出会えて,その中でも化学への興味を増したということもあるのですが,特に高校に入って私に大きな影響を与えたものは「ケミカルガーデン現象」だと思います.これについては,化学の教科書などに掲載されていて,ご存知の方も多いと思いますが,端的にいうと,ケイ酸ナトリウムの水溶液に様々な重金属塩の結晶を入れると,その種類によって,「色とりどりの草木のようなもの」が見る見るうちに勝手に成長していく,という簡単な現象です.少し大袈裟なようですが,この現象が,私が化学に対して持っていた漠然としたイメージのいくつかを簡単に破壊しました.それは,まず,「化学は『無機的』である」ということ(この反応は無機化合物しか使わないのに,見掛けは『有機的』に感じられます),そして「化学反応の結果できたものに自発的なかたちは存在しない」ということ,さらには「化学反応に速いか遅いかなんてない」ということです.つまり,化学というのは,私たちが思っているよりずっと神秘的で,しかも明快であるということを垣間見たというわけです.この,「ケミカルガーデン現象」を見て影響を受けた人は他にも結構居るのではないかと思います.

これからの進路ということですが,やはり大学へ進学して,化学の道に進みたいと考えています.そのために今すべきことは受験勉強,といったところでしょうか.

化学グランプリの素晴らしいところは,まず楽しいこと,そして,とても勉強になることです.ですから,後輩の皆さんも,とりあえず,この化学グランプリに参加してみてください.化学のみならず,一つのことに興味を持って取り組むきっかけになると思います.

最後になりましたが,まず,この化学グランプリの運営をしてくださっている先生方にお礼申し上げます.また,ご指導頂いた理学部顧問・化学科の先生,色々と助言をくれ,応援して頂いた我が理学部の先輩・同輩・後輩,友人諸氏,そして受賞を祝福してくれた全ての人にお礼申し上げます.本当にありがとうございました.

全国高校化学グランプリに参加して

筑波大学附属駒場高等学校・2年 角田 翔太郎

初の化学グランプリの参加で、優秀賞という最高の賞をいただけたことを非常にうれしく思っています。しかし、正直に言うと自分がこのような賞を取れるなんて夢にも思っていませんでした。

高1や中学生のときから学校で話題に出ていた化学グランプリ。先輩が毎年受けていたり、今年はオリンピックの代表として海外に行くなど、触れる機会がそれなりにあったので、「せっかくだし受けてみるか」という軽い気持ちで受けてみることにしました。そのための勉強としてまず一次試験の過去問を解いてみたのですが・・・ 「難しい!ここまで丁寧な解説がついているのに解けない!」 というのが第一印象でした。今年の問題でもそうでしたが、この化学グランプリの一次試験の問題は解説がついているにも関わらず(だからこそ、かもしれませんが)、頭を捻らせる問題が揃っているように感じます。学校での試験などと違い、一筋縄ではいかない問題に触れられる、このことが非常に新鮮に思いました。

二次試験に関しては、化学部に所属している私には少し有利だったのかも知れません。私が優秀賞を取れたのも、通知の紙を見る限り明らかに二次試験のおかげですし。二次の過去問を実際に行って雰囲気を少しでもつかむことができたのも、やはり部活のおかげだと思います。さて、二次試験の内容に関してですが、今年の問題は過去の問題に比べてかなり毛色が異なっていると感じました。例年の実験課題は、ほとんどが有機化合物か無機化合物の定性・定量的実験だったので、私もそこをしっかり勉強しておけば良いと思っていたのですが、実際に出てきたのは予想もしなかった実験。あれは、分析化学というのでしょうか、混合溶液から硝酸性窒素と亜硝酸性窒素それぞれの濃度を求めよ、というような問題。それまでに、無機や有機に関して勉強した知識があまり役に立たなさそうだった上、ppmの単位や安全ピペッターなど慣れないものがあったので、実験開始時は正直焦っていました。その焦りのせいか、はじめの30分に関しては全く力が出せていなかったと思います。しかし、なぜか途中から落ち着き、落ち着いて考えてみれば解けない問題ではないということに気づき、それからは普段通りの力を出すことができました。日常生活でもよく言われますが、落ち着くことは非常に大切だ、ということをはっきりと実感できました。私は、今年オリンピックの代表候補になることができましたが、選抜試験のとき、また選抜試験に通れたならオリンピック本番のときでも、ここで学んだ「落ち着く」ということの大切さを忘れないように気をつけていきたいと思っています。そしてまた、将来、私は化学関係の道に進むつもりですが、その時まで、しっかりとこのことを覚えておかなくてはいけないな、とも思いました。

それでは、落ち着きつつ最後に、このような機会を与えてくださった大会関係者の方々、色々とサポートしてくださった先生方、そして、私を応援してくれた化学部をはじめとする友人達に心からの感謝を告げて終わりたいと思います。

全国高校化学グランプリに参加して

私立大阪星光学院高等学校・3年 浅羽 太郎

今回化学グランプリに参加し、優秀賞をいただくことができたことを大変嬉しく思います。受験生として化学の授業を受け、知識を詰め込み、問題集でやってもいない実験の数値計算ばかりをやっていた私にとって、実際に実験をしてレポートをまとめるというのはとても貴重で楽しい経験でした。

そもそも今年、この大会に参加したのは去年の雪辱を晴らすためでした。去年、もともと化学と数学は得意だった私は結構いいところまでいけるんじゃないかと自惚れて、軽い気持ちで受けたところ完膚なきまでに叩きのめされてしまいました。その後しばらくはそのことも忘れていたのですが、夏が近づき、化学グランプリのポスターが学校に張り出されると「今年こそは!」という気持ちが燃え上がってきました。

一次試験は問題文をよく読めばわかるけど読まなければわからないという、思考力が試されている問題だと思います。解答するのに関係ないような事まで細かく書いてあるのですが、興味深い内容が多くついつい読み込んでしまい、時間はぎりぎりまでかかってしまいました。

二次試験の実験はなぜか例年と違い実験とレポートあわせて四時間になっていました。奇妙に思いながら問題を読み、実験手順や考察内容などがすべて指示されていて特に頭を使うところがなかったので、「今回はきっと時間との戦いに違いない」と勝手に決めつけ、実験の精度もそこそこに…というか完全に無視してどうにか時間内に終えました。帰りの電車で解答解説を読み、自分の思いもよらなかったことが山のように書いてあるので、もうただただ感心するしかありませんでした。とはいえ実験はとても楽しかったです。

私は化学に限らず数学も物理も生物も理系科目はすべて好きで興味があるので、進路についてとても迷っていました。高3のこの時期に進路が確定していないのはとても不安なのですが化学グランプリで新しく人と出会い、普段できない経験ができたことはとてもプラスになりました。

最後に、この大会は自分の見識を深め、また自分の力を試す絶好の機会です。後輩の皆さんにも化学に興味を持ち、この機会を上手に生かして欲しいと思います。

全国高校化学グランプリ2006に参加して

私立白陵高等学校・3年 賀川 拓哉

僕が化学グランプリを受けようと思った理由は、高3の時に何かイベントに参加したかったから(これを格好よく言うと「ひと夏のアバンチュールを求めて」)です。東京に行けたらいいなぁ、くらいの気持ちでいたので、優秀賞を取れたのは本当に驚きで、今でも実感がわきません。そして、周囲の人々はもっと信じられないらしく、「奇跡」「偶然」「誤報」などと言われ続け、僕は心に全治3秒くらいの傷を負いました。現在、心の底から(表面上だけでなく)「おめでとう!すごいね!」と言ってくれる人を募集中です。

今回の化学グランプリを受けた率直な感想は「おもしろかった」です。難しい問題を楽しめた人もいるでしょうが、僕にはその余裕がありませんでした。 しかし、普段勉強している受験用の化学の根底に存在している、壮大な世界を感じることができる(ただ感じるだけですが)ことができ、その意味でおもしろかったです。言うなれば、自分の知らなかった世界に触れる経験を、観光客が旅行を楽しむように楽しめたと思います。

これから化学グランプリを受ける人へ。グランプリには聞いた事さえないような内容が沢山出ますが、焦らずに本当の「化学」を楽しんでください。滅多にできない経験ができるいい機会のはずです。あと一つ、非常に重要なアドバイスがあります。二次試験の時に、間違ってもお土産の袋を持っていかないこと!僕はテストの前の日に秋葉原で大量に買い物をしていたので、お土産で膨らんだアニメイトの袋(DCⅡのクリアポスター入り)を持って会場に入ったら、誰もお土産なんか持っていませんでした・・・。いい感じで緊張がほぐれましたが、完全に場違いで空気が読めない奴になってしまい、恥ずかしかったです。

将来は、外科医になるか、免疫の研究をするかのどちらかと決めているので、残念ながら、化学と密接に関わることは無いと思います。ちなみに、優秀賞を取るような人は、「東大を出て研究者」という傾向が強いらしく、僕みたいに医学部を目指す人は少ないそうです。そういえば、優秀賞を取ったらどこかの大学からスカウトが来るかと思っていたのですが、未だにそのオファーが無いですね・・・。残念。

化学の身近さ(何より酸性と酸化の違い)を教えてくださった某塾の某先生、常に化学に対する愛を伝えてくださる白陵が誇る教祖、いや違った、教師の谷川先生、実験の方法や無駄知識を教えてくれたI君、その他サポートしてくれた全てに方々に無上の感謝を。このような機会を与えてくださった関係者の方々にも感謝の念をあらわしつつ、感想を終わります。ホンマに楽しかったです!

主催:
「夢・化学-21」委員会, 公益社団法人日本化学会
共催:
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST), 高等学校文化連盟全国自然科学専門部, 秋田大学(※二次選考), 日本化学会各支部、他
後援:
文部科学省、経済産業省、他
協賛:
株式会社大塚製薬工場, アルフレッサファインケミカル株式会社, 三洋化成工業株式会社, 東北化学薬品株式会社, DOWAホールディングス株式会社