化学グランプリ -High School Chemistry Grand Prix-

2002年・大会概要

一次選考

日時

平成14年7月20日(土)

会場

全国21会場

応募者

1261名

参加者

1164名

問題

問題, 解説,

二次選考

日時

平成14年8月24(土)

会場

東京大学駒場キャンパス

参加者

61名

問題

問題, 解説

表彰式

日時

平成14年11月16日(土)

会場

国立科学博物館 新宿分館

記念講演

野依 良治先生(理化学研究所)

報告書

全国高校化学グランプリ2002報告書

全国高校化学グランプリ2002 入賞者一覧(57名)

優秀賞

優秀賞
氏名学校名学年
梶野 裕喜

東海高等学校

3年

佐井 宏聡

栄光学園高等学校

3年

齋藤 祐也

県立青森高等学校

3年

田中 真吾

開成高等学校

2年

宮本 早苗

県立盛岡第一高等学校

3年

金賞

金賞
氏名学校名学年
青木 浩司

仙台育英学園高等学校(秀光コース)

3年

赤木 祐介

金光学園高等学校

3年

浅見 信之

白陵高等学校

3年

池川 隆史

松山東高等学校

3年

井村 祐己

大阪星光学院高等学校

2年

上野 敬規

白陵高等学校

3年

海透 優太

藤島高等学校

3年

加藤 雄士

藤島高等学校

3年

鴨頭 輝

筑波大学附属駒場高等学校

3年

川島 尚之

栄光学園高等学校

3年

草川 靖大

岐阜県立岐阜高等学校

3年

串田 祥

東京工業大学附属高等学校

3年

白川 紘介

東大寺学園高等学校

3年

白川 佳徳

灘高等学校

3年

樋口 卓也

栄光学園高等学校

3年

松本 宜丈

開成高等学校

3年

山本 一樹

開成高等学校

3年

銀賞

銀賞
氏名学校名学年
相沢 岳

公文国際学園高等部

3年

荒木 理

大阪星光学院高等学校

3年

大川原 徹

福島工業高等専門学校

3年

大熊 雄也

駒場東邦高等学校

3年

岡本 武志

大阪星光学院高等学校

3年

奥野 将成

大阪星光学院高等学校

3年

小山 貴広

栄光学園高等学校

1年

加藤 彰浩

県立仙台第一高等学校

3年

釜下 知之

大阪星光学院高等学校

3年

菅 康博

県立今治西高等学校

3年

神田 和士

大阪星光学院高等学校

3年

小宮山 純平

筑波大学附属駒場高等学校

3年

斉藤 真器名

古川商業高等学校

3年

白石 允梓

東京工業大学附属高等学校

3年

帯刀 健太

金沢泉丘高等学校

3年

玉井 総一

東京学芸大学教育学部附属高等学校

3年

西尾 哲

大阪星光学院高等学校

3年

松田 景吾

金沢泉丘高等学校

3年

丸山 順一

古川商業高等学校

3年

三浦 功太郎

県立時習館高等学校

3年

八木 太門

駒場東邦高等学校

3年

山下 忠紘

駒場東邦高等学校

2年

山中 隆志

藤島高等学校

3年

オリンピック金賞

オリンピック金賞
氏名学校名学年
上野 功一

創価高等学校

2年

日下 心平

駒場東邦高等学校

2年

オリンピック銀賞

オリンピック銀賞
氏名学校名学年
赤羽 正寿

創価高等学校

2年

岡田 直幸

開成高等学校

2年

北江 博晃

大阪星光学院高等学校

2年

佐藤 直人

創価高等学校

2年

田辺 一郎

創価高等学校

2年

寺本 真三

大阪星光学院高等学校

2年

平尾 章博

大阪星光学院高等学校

2年

丸山 優史

栄光学園高等学校

2年

本山 裕一

栄光学園高等学校

1年

山***

駒場東邦高等学校

2年

敢闘賞

敢闘賞
氏名学校名学年
油井 孔兵

都立小石川高等学校

2年

岩永 剛一

灘高等学校

3年

大川 真弥

県立今治西高等学校

3年

岡田 悠

岐阜県立岐阜高等学校

3年

岡部 勝臣

福岡大学附属大濠高等学校

3年

小澤 和巳

県立長生高等学校

3年

小幡 史明

創価高等学校

3年

上松瀬 良

大阪星光学院高等学校

3年

北島 亮平

大阪星光学院高等学校

3年

小林 卓志

大阪星光学院高等学校

3年

櫻木 健司

県立熊本高等学校

2年

佐藤 啓太

芝浦工業大学柏高等学校

3年

高橋 宏行

古川商業高等学校

3年

田村 理倫

福岡大学附属大濠高等学校

3年

豊島 安志

開成高等学校

3年

長嶺 有花

昭和薬科大学付属高等学校

3年

中村 克朗

県立小松高等学校

3年

日比野 拓己

向陽高等学校

3年

堀 心一

広島学院高等学校

3年

森田 昌樹

筑波大学附属駒場高等学校

2年

優秀学校賞

  • 栄光学園高校
  • 大阪星光学院高校
  • 開成高等学校
  • 駒場東邦高校
  • 創価高校

全国高校化学グランプリ2002 入賞者の声

全国高校化学グランプリ2002に参加して

東海高等学校 梶野 裕喜

今回、全国高校化学グランプリ2002に参加し、このような賞をいただけたことを本当にうれしく思います。結果を知ったときには、驚きでいっぱいでした。

僕は学校の友達に誘われて化学グランプリに参加しました。前から化学グランプリというものがあるということは知っていたのですが、具体的なことはあまり知りませんでした。しかし、その友達に誘われて面白そうだなと思い、今回の参加を決めました。

一次選考では、150分という長い時間が与えられ、電卓もあったことでじっくり考えることができると思いましたが、実際にはわりといっぱいいっぱいといった感じでした。また、学校では習わないような問題も出題され、それらを考えるのは非常に楽しかったです。

二次選考は、今回の化学グランプリの中で僕がもっとも楽しみにしていたものです。僕は理科の実験をするのは好きなのですが、僕の学校は実験をあまりやらないので、とにかく二次選考には参加したいと考えていました。本番では白衣にゴーグルという重装備で多少の緊張感はありましたが、楽しみながら実験を行なうことができました。ただ、その後に配られた解答と自分のレポートとの差には驚きました。自分が考えもしなかったような細かいところにまで、気配りがなされていたからです。自分の経験不足を思い知らされました。

僕が大学に入って学びたいと思っているのは、主に宇宙に関することですが、理数系のことならたいてい好きなので、化学も含めて幅広く学びたいと思っています。大学院への進学も考えています。

最後に、後輩の皆さん、化学は面白いものです。そういう気持ちを持って頑張って下さい。

全国高校化学グランプリ2002に参加して

栄光学園高等学校 佐井 宏聡

日本化学会会長賞をいただけたこと、大変うれしく思います。

この高校化学グランプリを知るきっかけとなったのは、部活の先輩が参加していたというのと化学担当の先生に参加要項を見せてもらったというものですが、僕は「まぁ、先輩も受けているし友達も受けるみたいだし、とりあえず首を突っ込んでみるか」などと思いつつ申し込んだのでした。実際過去問をのぞいてみて「う~ん、こりゃ試験勉強ってわけにも行かないぞ」と感したのを覚えています。

1次試験は自動車の排気ガス分解触媒問題が興味深い内容でした。出口で手渡された解答を読み、さらに興味がわきました。他にもホウ化マグネシウムの性質など、その場の思考力とともに日ごろから化学的な事柄にどれだけ興味をもっているかということを問われていることを感じました。問題としてはやさしめだったこともあり、「これは、いけるかも!」と思いつつ学校で無機の陽イオン定性分析実験にはげみました。

1次試験も無事通り、8月24日に東京大学駒場キャンパスで2次試験を受けることになったのですが、こちらはかなり無謀なことをしでかしてしまいました。何も対策をせず塩酸を含む溶液を蒸発乾固しようとして突沸させ溶液を手にかけたり、火にかけるのをやめてドライヤーで乾かそうと思ったら塩酸の刺激臭を回りに振りまいたりと、これはまずいだろうと思いつつ時間との戦いに必死でした。(周りの方々、ごめんなさい。)レポートも尻切れトンボになり、実験結果もずれたので「パソコンは無理かな…」と思いつつ懇親会に向かいました。懇親会では、やけくそムードがだんだんと消えていくのを感じながら先生方や隣の人と喋りっぱなしモードに突入していました。今考えると恥ずかしい限りです(汗)。

今から考えると、あれだけの整った施設で高校生に実験をやらせていただけただけでもありがたいのに、賞までいただいてしまってよいのか?というほど楽しい体験でした。これからチャレンジする方々には、ぜひこのチャンスを活用していってもらいたいです。この大会がもっともっと規模の大きな、全国の化学を志す人々が集う大会になることを期待しています。国際化学オリンピックに出場する方々も、がんばっていただきたいです。

僕は将来、宇宙開発の仕事に携わりたいと思っています。その中で、化学を活かしていくのか、それとも他の分野からのアプローチをとるのか、現時点ではまだはっきりしていません。ただ今回のグランプリに参加して、自分が化学を好きであることははっきり確認できたように思います。そういう意味でも、化学グランプリはいい体験になりました。

最後になりましたが、実行委員会の先生方、事務局の皆さん、そして学校の先生方と先輩方に厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。

全国高校化学グランプリ2002に参加して

青森県立青森高等学校 齋藤 祐也

僕がこの化学グランプリに参加したのは、自分の化学の力を試してみたいと思ったからである。もともと化学には自信のあった僕は、英語や数学の検定試験はあるのに、どうして化学にはそういうものがないのだろうと思っていた。そうしているうちに、化学グランプリの存在を知り、これは自分の力を試すまたとない機会なのではないかと思い、参加してみることにした。過去の問題を一通りやってみたが、思った以上に難しく、1次選考突破は自分には無理ではないかと思うようになっていた。

1次選考当日、試験場に着いてあることに気がついた。学生証と消しゴムを家に忘れていたのだ。何とか受付を通り、消しゴムを2つ持っている友達から借りて試験に臨んだ。よくないことの前兆かとも思ったが、前の年に先輩が同じようなことをして1次選考を突破していたことを思い出して前向きに考え直した。結果は、なんと1次選考通過だった。僕はその通知が信じられず、何かの間違い、いたずらや夢なのではないかとさえ思った。

過去の2次選考の問題を見てみた。内容的には単純なものであったが、細かく見ていくとかなり複雑な実験が必要なことがわかり、やはり化学グランプリの問題はレベルが違うなぁと思った。そして今回の2次選考である。予想していたように難しく、複雑であった。しかし、僕は、全国高等学校総合文化祭自然科学部門に出場した経験もあり、レポートの書き方をそこで学んでいたので、実験の方法と結果が良ければ、あとは有利な方向に持っていけるのではないかと思っていた。

そして1週間後、僕が学校から帰る前に、学校にも連絡が入っていたようで、先生から結果を聞いた。先生は、僕が優秀賞に選ばれていたことを興奮して教えてくれた。しかし、家に帰り自分宛ての封書を見てみると、やはり『優秀賞』と書いてあった。そこで改めて驚いた。初めは1次選考通過は夢、入賞など夢のまた夢と思っていたのだが、それがまさか現実のものになるとは。こんなに幸せでいいのだろうかと思った。このような賞を与えてくれたことに対して深く感謝したいと思う。

将来は、まだ具体的には考えていないが、何かしら化学に関連した職業に就きたいと思っている。

化学グランプリに参加して

開成高等学校 田中 真吾

高2になって初めて参加した化学グランプリにおいて、僕は新化学発展協会会長賞というものを頂くことになりましたが、とにかく文字数が多くてすごいなとしか思いませんでした。具体的に順位を言ってもらった方がピンとくるので、このような賞を設定するのではなくてこの人が表彰式で賞を渡してくれるという形でいいと思います。こんな話はおいておきまして、優秀賞に輝いたことはうれしく思っています。正直そんなにできたと思っていなかったのでうれしいというよりはびっくりしたというのが第1印象でした。このグランプリに参加したのはアテネに行きたいと思ったからで、グランプリで上位にはいるよりオリンピックにできれば出られればと思っていました。この成績がアテネに行くための切り札となってくれれば幸いです。ただ、やはり日本でベスト5,高2で1位となれるとは思いもしませんでした。1次試験は実際結構難しかったですし、2次試験でもパニックになりかけましたから。それでもこのような成績を取ることができたのですから、誰にだってチャンスはあるものだと思います。逆に、実力というよりも運だったのかもしれません。ただ、今はアテネのことばかり気になっています。

僕は将来的には化学と言うよりも薬学の道を目指しています。薬学は、化学的な要素をかなり含みながら、人間の生命活動というものにも大きく関わるきわめて重要な学問であり、医学と違って薬というものを通じて間接的に命に関わることができるといったすごさを感じることができます。その薬学を志すに当たって、化学はもっとも基礎となる分野ですし、その化学が好きだということは大いに役立つと思っています。僕は、現段階では薬はほんのわずかのことにしか役に立っていないと思っていますから、無限の可能性を秘めている分野であり、その可能性を現実のものへとしていきたいなと思っています。20世紀だけでもかなり進歩したなら、21世紀はきっと、もっと進歩するものだと思います。

この大会は、化学の実力を競うものですが、化学が好きな人であれば誰にでも参加権はあるのですから、積極的に参加した方がいいと思います。もしかしたら、運さえあればパソコンを手に入れるチャンスも当然あるわけですし、高1,2年生にとっては、国際舞台に立てる少ないチャンスをもぎ取ることができるかもしれませんから。

全国高校化学グランプリ2002に参加して

岩手県立盛岡第一高等学校 宮本 早苗

自分が優秀賞をいただいた、と知ってから既に半月ほど経つが、夢のようでいまだに信じられない。優秀賞をとるほどよくできたとはとても思えないからだ。

そもそも、化学グランプリに参加しようと思ったのは電卓がもらえると聞いたからという化学とはかけ離れた動機だった。去年は電卓が手に入った時点で喜び、運良く銀賞に入ったものの「ラッキー」くらいにしか思わなかった。(ごめんなさい)しかし、今年は事情が違う。あと取れる賞といったら金賞と優秀賞しかない。ましてや予選落ちなんて論外である。などとごちゃごちゃ考えていたのでかなりのプレッシャーがかかることになった。本当はそんなことを気にせず楽しめればいいのだが。2次の直前に、唯一「ま、楽しんできな」といってくれた友人の言葉に救われた。しかし、やはり緊張していたのだろう、失敗の連続で2次が終わったとたんに「だめだ、こりゃ」と思い、落ち込みつつ帰った。2次の成績と総合得点は相関関係にあるというのが定説らしい。だからあまり結果は期待できなかったのだが。1週間ほどしてインターネットの入賞者速報のページに自分の名前が金賞より上にあるのを発見して、狂喜した。と同時に心配になってきた。これはどこか間違っているに違いない、そのうち間違いでしたという通知が来るかもしれない…。それにしても、今思い返してみると私はずいぶん「賞」にこだわっていたようだ。もし初めての参加であればそんな上の賞が取れるわけがないと思い込むから思い切り化学に没頭できたかもしれない。しかしグランプリに参加して貴重な、面白い経験ができたのも事実である。

今のところ、興味のあるのは物理・化学・宇宙などの分野だが、ここまできてしまったからには将来やはり化学に進むしかないかな、と考えている。

最後から2番目に。化学オリンピックにも参加することになり、グランプリもますます発展してゆくことと思われますが、これからグランプリに参加しようとする皆さんには、賞をとるため、校名を上げるための大会にはしてほしくありません。自分の中の化学の世界を広げ、化学をいっそう好きになれればと思っております。

最後に、お世話になった先生方、友人にお礼申し上げます。どうもありがとうございました。

主催:
「夢・化学-21」委員会, 公益社団法人日本化学会
共催:
独立行政法人科学技術振興機構, 高等学校文化連盟全国自然科学専門部, 名古屋大学(※二次選考)
後援:
文部科学省