化学グランプリ -High School Chemistry Grand Prix-

2001年・大会概要

一次選考

日時

平成13年7月21日(土)

会場

全国20会場

応募者

963名

参加者

902名

問題

問題, 解説,

二次選考

日時

平成13年8月25(土)

会場

東京大学駒場キャンパス

参加者

60名

問題

問題, 解説

表彰式

日時

平成13年11月24日(土)

会場

日本化学会 化学会館 7階ホール

全国高校化学グランプリ2001 入賞者一覧

優秀賞

優秀賞
氏名学校名学年
小田 倫史

岩手県立盛岡第一高等学校

3年

川井 隆之

白陵高等学校

3年

藤井 望

東京工業大学工学部附属工業高等学校

3年

渕脇 純太

麻布高等学校

2年

三浦 脩平

麻布高等学校

3年

金賞

金賞
氏名学校名学年
安藤 慎一郎

岐阜県立岐阜高等学校

3年

伊藤 悠

宮城県古川商業高等学校

3年

可児 佑一朗

岐阜県立可児高等学校

3年

上 陽介

石川県立金沢泉丘高等学校

3年

北中 佑樹

駒場東邦高等学校

3年

木村 康義

大阪星光学院高等学校

3年

古賀 純隆

栄光学園高等学校

3年

古謝 玄太

昭和薬科大学附属高等学校

3年

齊藤 範章

白陵高等学校

3年

榊原 賢二郎

麻布高等学校

3年

作道 直幸

大阪星光学院高等学校

3年

佐藤 景一

麻布高等学校

3年

前島 健作

島根県立出雲高等学校

3年

八坂 賢史

志學館

3年

山 雅人

東海高等学校

3年

吉崎 正子

東京都立戸山高等学校

3年

銀賞

銀賞
氏名学校名学年
相川 清隆

駒場東邦高等学校

3年

植村 圭祐

岐阜県立岐山高等学校

3年

大野 隆司

名古屋市立向陽高等学校

3年

菊池 武

岩手県立釜石南高等学校

3年

小嶋 祐輔

駒場東邦高等学校

3年

酒井 美智子

愛媛県立新居浜西高等学校

3年

高田 寛之

駒場東邦高等学校

3年

田中 裕子

愛媛県立今治西高等学校

3年

田中 亮

大阪星光学院高等学校

3年

谷口 俊介

愛媛県立松山東高等学校

3年

辻 博人

大阪星光学院高等学校

3年

仲池 隆史

沖縄県立球陽高等学校

3年

藤原 巧真

白陵高等学校

3年

松原 慎一郎

東海高等学校

3年

水谷 安里人

三重県立桑名高等学校

3年

宮本 早苗

岩手県立盛岡第一高等学校

2年

向川 友博

福井県立藤島高等学校

3年

村上 功

大阪星光学院高等学校

3年

柳下 祥

東京都立八王子東高等学校

3年

吉永 大介

大阪星光学院高等学校

3年

銅賞

銅賞
氏名学校名学年
赤塚 優作

東京学芸大学教育学部附属高等学校

3年

阿部 友紀

愛媛県立今治西高等学校

3年

上田 裕

青森県立青森高等学校

3年

岡田 悠

岐阜県立岐阜高等学校

2年

小野 宜昭

大分県立大分舞鶴高等学校

3年

桑畑 英資

宮崎県立宮崎西高等学校

3年

坂谷 彰哉

大阪星光学院高等学校

3年

佐々木 新

宮城県古川商業高等学校

3年

佐藤 太久真

宮城県仙台第二高等学校

3年

鈴木 克明

静岡県立静岡高等学校

3年

大門 哲也

灘高等学校

3年

武田 敏信

愛媛県立今治西高等学校

3年

武田 祐輔

愛媛県立今治西高等学校

3年

西尾 哲

大阪星光学院高等学校

2年

原口 秀幸

大分県立大分舞鶴高等学校

3年

平川 陽一

岡山県立井原高等学校

3年

三浦 平寛

宮城県古川商業高等学校

3年

村田 拓哉

愛知県立時習館高等学校

3年

山田 琢也

富山県立高岡高等学校

3年

吉村 功二

創価高等学校

3年

奨励賞

奨励賞
氏名学校名学年
大川原 徹

国立福島工業高等専門学校

2年

山下 忠紘

駒場東邦高等学校

1年

全国高校化学グランプリ2001 入賞者一覧

化学グランプリ

岩手県立盛岡第一高等学校 小田 倫史

一年前は化学グランプリ一次で落とされてしまったのですが、当時は化学の授業が始まったばかりだったので化学に燃えていたのだけれど、化学は実は暗記科目だったのか、と解して以来、特に化学の勉強もせず、数学の難問ばかりやっていただけだったから、一次通過に自信がなかった。けれど一次通過どころが、優秀賞までとってしまったので、感動の度合はかなり驚き側に傾いているかんじです。

グランプリは一次の問題が実は楽しいものだ(時に頭痛を引き起こすが)と思います。化学の知識ばかり重視される(僕の嫌いな)一般の問題と異なり化学的(?)に考えること、新しい考え方に適応する能力、なんかに重点を置いている点で個人的には良問に見えてしまうのです。やはり暗記化学だけじゃ、化学が嫌いになりますよね(僕は)。

二次に関しては、十分な知識と常識が必要とされることが分かっていたので二日前からあの暗記化学に専念し、実験手法とかも自称完璧にしておいたことが成功に導いたものと思います。いえ成功というべきではないのかもしれません。というのは、真っ先に、全金属を温につけてマグネシウムを探したのに、その小さな泡を見のがすし、そのことをレポートに書くこともなかったし、アルミニウムも両性元素とわかっていながら、しかも実験中にはアルミニウムだろうと思ってメモっていたのにレポートの際に、余計な考えが舞い降りて、亜鉛に変わってしまった。ああこの性格がどうにかならんのか、という感じです。

今まではグランプリで上位を占める人は、小さいころから化学(科学)が好きだったんだろうと思っていたが、そうではない人(自分)がいることを知ることができ、これからも何かやらかせそうな気がして楽しいです。

そんな僕は、中三の夏にホーキングの絵本を読んで以来、三年間、統一論に関わりたい思って勉強してきたのであって決して化学に関わる気はなかったのだ。けれど、この三年間、化学グランプリや数学オリンピックを始めとしていろいろ体験して、物理・数学だけじゃなく化学・生物・天文・医学なんかも本質は(授業のテスト用の暗記学は嫌いだが、)楽しいのだと分かって今までは(そりゃ統一論が一番やりたいけど)将来の進路は、自分にも見えぬものとなってきて化学が今後、自分の人生にどうかかわってくるのかは分からないけど、楽しい人生でありたいね。

受賞を自分の考えの正当化に利用させてもらうと、やはり後輩(この言葉は嫌いだけど)には、暗記学にさっさとすませて、難問ばっかにとりくんだり、いろんな体験学習に参加したり、当然化学グランプリを受けたりと、暗記学から離れた視点で楽しめるものに取り込んでほしいなあと思います。

化学グランプリ2001に参加して

白陵高等学校 川井 隆之

この全国高校化学グランプリに参加する前は、まさかと思っていた優秀賞をいただくことができ非常に嬉しく思います。

さて今回グランプリに参加した理由は友人の誘いがきっかけで興味を持ったことで、問題に対する率直な感想は難しいけど面白かったということです。特に1次選考の問題で、最近ノーベル賞を受賞された白川先生の研究テーマである『電導ポリマー』を扱った問題が面白かった。1次試験は問題を楽しめたという感じで余裕があったのですが、2次試験はうまく反応が進まなかったり2つの実験結果が矛盾したりと非常に苦労しました。それでも自分なりに筋の通ったレポートを作成することができたので2次試験も良い成績を収めることができました。

ところで僕は『化学』が特別に好きではありません。僕は『科学』全般が非常に好きなので『生物』も『物理』も、もちろん『化学』も好きなのです。実際僕は『生物』部所属で学校の授業では理科で『物理』と『化学』を選択しています。こんな僕なのでお分かりの通り将来研究職につくつもりです。特に僕は『化学』と『生物』の接点である『生化学』を専攻し、ヒトについて研究したいと思っています。というのもそれは研究という楽しみと同時に他人の役に立つという2つの利点があるからです。確かに理想的すぎて困難かもしれませんが今回の賞を励みにあきらめずに道を進み続けたいと思っています。

―後輩へのメッセージ―

この文章を読んでいる人はおそらくはグランプリ参加を考えている人が大半だと思いますが僕からのアドバイスとしては、あまり点数や順位を気にするなということくらいです。というのもグランプリの問題は模試のテストと違いどれだけ化学が好きで一途に取り組むことができるかを尋ねる問題だからです。自分の知らない事ばかりなので分かるところからなどと考えても点は取れません。むしろわからないものに興味を持ち腰を下ろしてじっくりと考えて答えを導き出す方が、時間はかかっても結果は出ます。実際過去問をやってみれば分かると思いますが、考えれば必ず分かるようになっています。あせらず自分の答えを完成させる、これが僕から『科学』を志す人達へのアドバイスです。

全国高校化学グランプリに参加して

東京工業大学工学部附属工業高等学校 藤井 望

今回、新化学発展協会会長賞という名誉ある賞を頂き、非常に光栄だと思っています。一次試験の手応えは、あまり良いものではなかったのですが、なんとか二次に進むことができ結果として、このような賞を授章できたことは嬉しい限りです。 この化学グランプリは、非常に興味を引く問題が多く有り、とても面白かったです。二次も同様に知識が有っても解けないような問題で、良かったと思いました。この二次試験を通して感じたことが一つ有りました。それは、知識だけではダメだ、ということです。僕の高校では、二年生の時、一年間実習を行います。その経験が今回の試験に役立った事は間違いありません。前校長が言う「手で物を考える」これが実証されたと思います。少し厳しい言い方をすると、今の高校での化学は「机上の空論」であると思います。今回の試験でも全体的な結果を見ると、そう考えずにはいられません。そのような中で、1年間実習を経験できた事は今後の僕にとっても、大きな財産となると思います。 僕は将来、化学の専門の道に進みたいと思っています。特に、有機化学には非常に興味をそそられます。これからは、有限の資源をいかにして循環させるかという時代で、それに適しているのが、有機物だと思います。まずは、大学に進み、「生涯研究」を目的にしていきたいです。 今、僕は学校で「課題研究」に取り組んでいます。PETボトルを中間原料であるBHETに戻すという研究です。高校で取り組める範囲は限られています。しかし、この半年実際に実験をしてきて、化学への思い入れは強くなる一方です。目で見、手で触れ、臭いを嗅ぎ、頭の思考回路をフル回転させ、物事を考えることは、非常に気持ちが良く、快感に近いものすら感じられます。このように、化学のすばらしい面をすでに知ってしまったので、化学は、やめられません。一種の中毒に近い状態になってしまったのかもしれません。この化学への情熱は誰にも負けません。そして、いつかは、すばらしい発見をして、「日本そして世界に貢献した人」となれるよう努力していきたいと思います。大それた事を書きましたが、不可能ではありません。自分に自信を持って、これからも、精進していきたいと思っています。 最後に、この化学グランプリを進めてくれて、応援してくれた本校工業化学科の先生方、そして、僕の親友であり、課題研究のパートナーでもあり、良き相談相手でもある、鈴木秀幸には、感謝をしたいと思います。

全国高校化学グランプリに参加して

麻布高等学校 渕脇 純太

この度、化学グランプリに参加させて頂き優秀賞を受賞させて頂きました。受賞の通知を見た時は、とても嬉しかったです。 また、交通費や宿泊費をこちらで負担しなくても良かったり、郵便にはすべて返信用のものが同封されていたりと、化学会の方の意気込みや心配りを強く感じました。また、1次・2次選考ともに考えさせられるものばかりでとても面白かったです。僕は学校でずっと化学部をしていたのですが、自分の力を試す場はなかなか無かったので、このような「他流試合」をできたことが何より貴重な経験となりました。 僕は昔から化学が好きで、できれば大学でも化学に進み、将来も化学関係の仕事につきたいと思っているので、今回化学グランプリに参加したことは、いつか役に立つと思います。 最後に、来年度受けようか迷っている人も化学好きにとっては大変面白い企画なので、少し難しそうでも(僕も正直、一次の問題を見た時はぎょっとしたけど、それでも賞がもらえたんだから)、思い切って是非ともチャレンジしてみて下さい

全国高校化学グランプリ2001に参加して

麻布高等学校 三浦 脩平

高3になって初めて全国高校化学グランプリに参加した訳であるが、化学グランプリ2001の問題は大学受験の入試の問題とは一味違って難しい所が多かった。多少は自信を持っていたのだが、一次、二次と、分からないものがあって、周囲の人達が皆、頭良さそうに見えたりとヘコみっぱなしであった。特に2次の実験では、開始直後は落ち着いて方針を考えたりしていたのだが、いざ反応させてみると、思った様に反応が進まずすぐにあわててしまって思い通りの結果が出せなかった。絶対一次落ちだ、とか入選するなんて有り得ね~とか考えていたのだが、いざ結果が返ってくると、意外に良い成績で、その度に歓喜していた。この様な体験の外にも、全国の化学好きと競いあったり、立食パーティーに参加できたりと、本当に応募して良かったと思う。 ところで、化学好きな僕は将来研究がしてみたいと思っているのだが、化学に限らず理科、数学全般に面白いと思う(化学、数学、物理…の順で)ので、何の研究かは今のところ未定である。とりあえずは大学受験をpassしないことには話が始らないので、将来のことは後で考えようといった感じである。 話を戻すと、2次審査(選考?)の後、実験のヘマで嘆いていた所に3,4日してから結果が返って来た。寝ている所に来たのだがすぐに目が覚めて、即刻開封した。ドキドキしながら見てみると、“日本化学会化学教育協議会議長賞(優秀賞)”と太字にunderlineまで付いており、本当に驚いた。一瞬疑ったが、次の日に得点分布表に目を遣ると、その通りであり、とても嬉しかった。大手を振って歩けるぞ、とすごく浮かれた。全国5位以内なんて我ながら何てすばらしいんだ、と思ったりもした。本当に、参加して良かったと新ためて思う。 もし、これを読んだ人で、参加しようか迷っているのだったら、自分の力を試すつもりで、出る事を勧める。化学嫌いな人や、受験のためだけしか考えていない人には、難しいかも知れないが、絶対に無駄にはならない。と思う。きっといいことがあるはず。 最後に、この様なすばらしい機会を下さった関係者の方々、協力して下さった先生に心から感謝の念を述べたい。本当に、有難うございました。

主催:
「夢・化学-21」委員会, 公益社団法人日本化学会
共催:
独立行政法人科学技術振興機構, 高等学校文化連盟全国自然科学専門部, 名古屋大学(※二次選考)
後援:
文部科学省