一次選考については開始当初からみると、問題数や内容が少しずつ変わって来ていますが、最近の傾向としては基礎化学、無機化学、有機化学、物理化学の分野から各1題、計4題を150分間で解答するようになっています。
問題毎に、高校と大学の教員からなる作題グループが組織され、高校生の学力レベルや学校で習う基本的な内容を踏まえつつも、教科書では扱わない化学の世界を紹介するような問題作りをしています。問題に取り組んだあと、皆さんに「化学の知識がこういうところに生かされているのか。」とか、「教科書で学んだ基礎的な事柄がこういう風に応用されているのか。」といった発見や感想をもってもらえたら、というのが作題グループのねらいです。ですから、問題を一見すると教科書では見たこともない化学式や構造式が出てきて、一瞬ひるんでしまうかもしれませんが、恐れずにじっくりと取り組んでみてください。普段の学校の試験や入試問題を解くのとは違った「化学」が体験できるはずです。単に得点を競い合うだけではなく、参加者にこれまで知らなかった化学の一面に触れる機会を与えたいというのが「化学グランプリ」の精神です。
二次選考に進出した約80名は、大学の学生実験室を会場にして実験問題に取り組みます。まず、参加者に実験用の白衣と安全眼鏡が配布され、一般的な注意事項の説明の後、試験開始となります。必要な実験スペースと実験器具類、試薬等が各自に割り当てられ、与えられた課題に対してどのような手順で実験を進めれば良いか、計画を練ります。そして、実際に実験操作にかかり、データを取り、それらをレポートにまとめて提出します。と、書いてしまえば簡単そうに思えますが、予定したデータが取れないときには実験計画を練り直し、再度タ験を繰り返す、といったことがほとんどですので、参加者はクーラーの効いた実験室でも汗だくになって取り組んでいます。
試験開始からレポート提出まで例年は3時間でしたが2006年からは4時間に延長されました。普段、化学の実験器具など馴染みがないので、試験問題なんてとても手に負えないのではないか、といった心配はいりません。高校生の皆さんでも操作できるように丁寧な解説がついています。自分で実験手順を考えて答えを探し出すといった経験は、ほとんどの参加者にとって初めてのことであり、試験を終えたあとは結果はともかく、みんなとても充実した表情をしています。
一次選考、二次選考とも過去に出題された問題は「過去問」から参照できます。